嘘は泥棒の始まり。どうしたら嘘をつかなくなるの?
お母さん
ますみん
目次
子どもが嘘をつくのは知能が発達してきた証拠
嘘や言い訳が多い子どもの特徴=頭が良く回る賢い子
人間誰でも、ちょっとした失敗はやってしまうもの。特に子どもは経験が浅かったり体が未発達だったりするために、毎日が失敗の連続です。そこからいろんなことを感じて学び取っていく経験が、心の成長にはとても大切。“失敗は成功の母”というように、失敗する経験は成長の大きなチャンスなのです。
失敗に対する子ども達の反応は様々で、とりたてて気にしない子もいれば、嘘をついて隠そうとする子もいます。どれもその子のもともと持っている性格による特性。本来いい悪いはないのですが、「すごくイラっとする」というお母さんの声が特に多いのが
❶嘘をつく ❷言い訳をする のふたつ。
実は、このふたつに共通する子どもの特徴があります。
両方とも、状況を察知して危険回避する能力が高く、自分がどう振る舞うかをとっさに考えられる頭の回転の速さを持っているということです。
嘘や言い訳は脳の発達と大いに関係がある。成長のしるしと受け止めよう
ますみん
5歳くらいになって急に嘘や言い訳が増える時期があります。それは5歳ごろになると“予測脳”といって、先のことを予測して行動を決める力が育つから。前頭葉の発達と関係があります。今までの経験と垂らし合わせて、これから起こることを予測して自分の行動を決められるようになってくるのです。
嘘や言い訳が多いのは、特にこの力が強い子。前に失敗して叱られたという体験を覚えており「この失敗で叱られるのを回避するにはどうしたらいいのか?」ということを瞬時に考えているのです。とっさに嘘をついたり言い訳したりするのは、危険回避能力が高く、瞬時に色々なことを判断して発言できる頭の回転の速さの表れでもあります。
ますみん
お母さん
ますみん
お母さんのNG行動が子どもの言い訳を作ることも
嘘や言い訳が多い子は、失敗するのはいけないこと、恥ずかしいことと捉えています。だから叱られたくない、笑われたくないという心理が働き、失敗を隠そうとするのです。大人から見ると失敗とは呼べないようなほんの些細なことでも、子どもにとっては大問題。お茶をこぼした、絵の具が服についた、そんな小さなことで嘘や言い訳が増えるようになったら、お母さんも以下のポイントをちょっと振り返ってみるのがオススメです。
NG1. 失敗=悪いことという刷り込みをする
刷り込み、と聞くと「そんなことはしてないわ」と思うお母さんがほとんどですが、もちろんわざとやっているお母さんはいません。でも例えば子どもがお茶をこぼした時「あ〜あ、何してるの!」「だから気をつけろって言ったじゃない!」などと、無意識のうちに怒る(ように聞こえる)反応をすることが多いようなら、それが子どもには自分が失敗→お母さんが怒る、という経験になってしまいます。この経験が度重なると失敗=悪いこと、という刷り込みがされていきます。
NG2. 失敗を責めて追い詰める
1. に輪をかけて刷り込みを強化してしまうのが、失敗したことを責める行為。いつでも一生懸命なお母さんほど「どうしてこうなったのか言いなさい!」「どうしてって聞いてるの」など、同じ過ちを防ぐために原因探しをしがちです。
「どうしてこぼしたの」「コップをちゃんと持ってたらこうはならなかったよね」と理詰めで迫るのは、お母さんからしたらちゃんと教えて次回の失敗を防ぎたいから。でも子どもからするとどうしてこうなったかはまだよく分からないことが多いし、もし分かっていたとしても言葉で上手に説明できません。ただただ責められているように感じて苦痛になり、そこから逃れるためにとっさの嘘や言い訳をひねり出すのです。
お母さん
ますみん
子どもの嘘は自己防衛。必要はのは嘘をつく必要はないと理解させること
原因探しや責める言葉はNG。対処法を教えよう
嘘や言い訳がスラスラ出てくる子に、強い口調で責めるように叱るのは逆効果。叱られるのを避けるためにますます嘘や言い訳が増えます。大人は原因究明することで次回の失敗を防ごうと思うものですが、「どうしてこうなった」という原因探しも、説明する言葉を持たない子どもには責められているような心理的圧迫感をもたらします。
こういう子に失敗は恥ずかしいことでも悪いことでもないと理解してもらうには、以下の手順がオススメ。
例えばお茶をこぼしたのなら
- まずは事実を伝えて認識させる→「あ、お茶がこぼれたね」
- どう対処するかを考えさせる→「どうしたらいいかな?」
このふたつだけでOK。
このふたつの言葉がけができれば、子どもは溢れたお茶にどう対処するかを、自分で考えることができます。最初にお話しした予測脳を使って“以前お茶がこぼれた時にお母さんが布巾でテーブルを拭いていた→そうか、こぼれたら拭くんだな“ということを導き出せます。
「拭く」と子どもが自分で言えたら「じゃあお願いね」と後片付けを任せませましょう。もちろん言えない子もいます。その場合は「こぼしたら拭くんだよ」など、教えてあげればOKです。この時途中でお母さんが取り上げないことがポイント。本人に最後まで責任を持ってやらせることで、
- 責任をとることの大切さ
- 失敗は取り返せる
ということを学びます。何度か繰り返せば、こぼしたら自然と自分で拭くようになります。
“Why?”から“How?”へのシフトチェンジが子どもの責任能力を育てる
ここまでくれば、失敗したらちゃんとそれに対処すればいいんだと理解できるようになるので、ごまかす必要性を感じなくなります。そうすれば自然と嘘や言い訳は減ってきます。「Why?=どうしてこうなった!」という過去の質問から「How?=じゃあどうしたらいいかな?」という未来への質問にシフトして、上手にリードしてあげてくださいね。
ますみん
お母さん